一般不妊治療
一般不妊治療

不妊治療にはさまざまな方法がありますが、すべての方が体外受精などの高度な生殖医療を必要とするわけではありません。タイミング療法や人工授精(+排卵誘発)など、できるだけ自然な妊娠を目指す「一般不妊治療」も大切な選択肢です。
当院では、「できるだけ自然な形で妊娠したい」というお気持ちを大切にし、一人ひとりの年齢や不妊期間、検査結果、ご希望などを踏まえて、その方に合った治療をご提案します。
まずは必要な検査を行い、妊娠を妨げている原因がないかを丁寧に確認します。そのうえで、タイミング療法、排卵誘発、人工授精などを適切に組み合わせながら、妊娠を目指していきます。
「妊娠を希望しているけれど、何から始めればよいかわからない」「すぐに高度な治療を受けることには抵抗がある」という方も、どうぞお気軽にご相談ください。
不妊症とは、避妊をせずに定期的な性交渉を1年以上続けても妊娠しない状態をいいます。ただし、女性の年齢が高い場合や、明らかな不妊の原因がある場合は、1年を待たずに早めに検査・治療を始めることも選択肢のひとつです。
不妊の原因は、女性側・男性側・双方にある場合など様々です。女性側の原因としては、排卵障害・卵管因子・子宮因子・頸管因子・免疫因子などが挙げられます。男性側の原因も全体の約半数を占めるといわれており、精液検査は不妊治療の早い段階で行うことが重要です。原因を正確に把握することが、最適な治療方針を選ぶ第一歩となります。
一般不妊治療とは、タイミング療法や人工授精など、体外受精・顕微授精といった生殖補助医療(ART)を行わずに妊娠を目指す治療です。必要に応じて排卵誘発を組み合わせながら、できるだけ身体への負担を抑え、自然な妊娠に近い形で治療を行います。
2022年4月から、タイミング療法や人工授精などの一般不妊治療にも健康保険が適用されるようになり、以前と比べて経済的な負担を抑えて治療を受けられるようになりました。
一般不妊治療では、年齢や不妊期間、卵巣機能、検査結果などを踏まえ、一人ひとりに適した治療方法を選択することが大切です。
当院では、まずタイミング療法など身体への負担が少ない治療から始めることを基本としながら、患者さんの年齢や不妊期間、卵巣機能、検査結果、ご希望などを総合的に考慮し、治療方針をご提案します。必要に応じて排卵誘発や人工授精を取り入れながら、妊娠を目指していきます。
タイミング療法とは、超音波検査やホルモン検査を用いて排卵日を予測し、最も妊娠しやすいタイミングで性交渉を行っていただく治療法です。排卵のタイミングを正確に把握することで、自然妊娠の確率を高めることを目的としています。
一般不妊治療の中で最も身体への負担が少なく、自然妊娠に最も近い治療法です。健康保険が適用されるため、費用面でも取り組みやすい治療です。自己流のタイミング法とは異なり、医師が超音波検査でその周期の卵胞の発育を確認しながら、より正確な排卵日を予測するのが特徴です。
タイミング療法は、以下のような方に適しています。
初診・スクリーニング検査
基本的な検査で現状を把握します
時期
月経期〜
卵胞モニタリング
超音波検査で卵胞の発育を確認します
時期
月経10日目頃〜
排卵日の予測
卵胞のサイズ・ホルモン値をもとに排卵日を予測します
時期
排卵前
タイミング指導
最も妊娠しやすい日に性交渉を行っていただきます
時期
排卵日前日、2日前
黄体期管理
必要に応じて黄体ホルモンを補充します
時期
排卵後
妊娠判定
月経が来なければ妊娠判定を行います
時期
次の月経予定日以降
一般的に3〜6周期を目安に行い、妊娠しない場合は次のステップ(人工授精)への移行を検討します。ただし、年齢や卵巣機能・他の不妊原因によって、早めにステップアップをご提案する場合もあります。
人工授精(AIH:Artificial Insemination by Husband)とは、パートナーから採取した精液を洗浄・濃縮処理し、排卵のタイミングに合わせてカテーテル(細い管)を用いて精子を子宮内に直接注入する治療法です。
精子が子宮内に直接届けられるため、精子が卵管まで到達しやすくなり、自然妊娠よりも受精の可能性が高まることが期待されます。受精・着床・妊娠の成立という過程は自然妊娠と同じで、採卵や体外での操作は行いません。タイミング療法よりも一歩進んだ治療法ですが、体への負担は比較的少なく、外来で短時間に行えます。
人工授精は以下のような方に適しています。
卵胞モニタリング
超音波検査で排卵日を予測します
精液採取
当日、パートナーが精液を採取します(自宅採取)
精液の洗浄・濃縮
採取した精液から運動性の高い精子を選別します
子宮内注入
カテーテルを使って精子を子宮内に直接注入します(数分で終了)
黄体期管理
必要に応じて黄体ホルモンを補充します
妊娠判定
月経が来なければ妊娠判定を行います
注入自体は数分で終わり、処置後はそのままご帰宅いただけます。痛みはほとんどなく、日常生活への影響も少ない治療です。一般的に3〜6回を目安に行い、妊娠しない場合は体外受精へのステップアップを検討します。
排卵誘発とは、薬(排卵誘発剤)を用いて卵巣を刺激し、排卵を促したり、複数の卵胞を育てたりする治療法です。自力での排卵が難しい方や、排卵の時期が不規則な方に用いられるほか、タイミング療法や人工授精の効果を高める目的でも行われます。
排卵誘発剤には内服薬と注射薬があり、患者さんの状態や目的によって使い分けます。当院では、過剰な刺激を避けながら、一人ひとりの卵巣機能に合わせた適切な排卵誘発を行っています。
クロミフェン(クロミッドⓇ)やレトロゾール(フェマーラⓇ)などの経口排卵誘発剤を月経周期の早期に服用することで、脳下垂体への刺激を通じて卵胞の発育を促します。副作用は比較的少なく、外来で手軽に行える方法です。ただし、子宮内膜が薄くなりやすい点に注意が必要なため、超音波検査で定期的に確認しながら進めます。
ゴナドトロピン製剤(FSH・hMG製剤)を注射することで、より確実に卵胞の発育を促す方法です。内服薬で効果が出にくい方や、より確実な排卵を目指す場合に用いられます。多胎妊娠や卵巣過剰刺激症候群(OHSS)のリスクがあるため、超音波検査とホルモン検査で卵巣の状態を細かく確認しながら進めます。
排卵誘発剤を使用する際は、多胎妊娠(双子以上の妊娠)のリスクがあることをあらかじめご理解ください。当院では、卵巣の状態を丁寧に確認しながら用量を調整し、安全な治療を心がけています。
一般不妊治療(タイミング療法・人工授精(+排卵誘発))はすべて健康保険が適用されます。年齢・回数の制限はありません。
1周期あたり5,000〜10,000円程度(検査・薬代含む)
1周期あたり10,000〜20,000円程度(検査・薬代含む)
使用する薬の種類や検査内容によって費用は変動します。詳しくは診察時にご説明します。
当院では、治療を一方的に決めるのではなく、患者さんの状態・希望・ライフスタイルを大切にしながら、一緒に治療方針を考えていきます。「まず話だけ聞いてみたい」という方も歓迎していますので、ぜひお気軽にご連絡ください。
