不妊検査
不妊検査

妊娠を希望される方には、妊娠前に確認しておくことが望ましい感染症について、血液検査などを行います。
B型肝炎、C型肝炎、梅毒、HIVなどの感染症は、ご本人の健康管理だけでなく、妊娠・出産時の母子感染予防や、安全に不妊治療を行うためにも確認しておくことが大切です。また、クラミジア感染症は自覚症状がないことも多く、卵管炎を起こして卵管の狭窄や閉塞につながり、不妊の原因となることがあります。
さらに、風疹など妊娠中の感染によって胎児に影響を及ぼす可能性のある感染症については、抗体の有無を確認します。十分な免疫がない場合には、妊娠前のワクチン接種をご案内することがあります。
必要に応じて、HTLV-1、トキソプラズマ、サイトメガロウイルス(CMV)などについても検査を行います。
妊娠前のスクリーニングを目的とした感染症検査・抗体検査は、原則として自費診療となります。検査項目や費用については事前にご案内いたします。
検査結果に応じて、必要な治療やワクチン接種、専門医療機関へのご紹介など、妊娠に向けた対応をご案内します。
ホルモン検査では、月経周期の時期に合わせて採血を行い、LH、FSH、エストラジオール、プロゲステロン、プロラクチンなど、妊娠に関わるさまざまなホルモンの値を調べます。
女性のホルモンは月経周期に応じて変化するため、適切な時期に検査を行うことで、卵巣機能や卵胞の発育、排卵の状態などを評価します。また、TSHやFT4などの甲状腺ホルモンに関連する検査も行います。甲状腺機能の異常は、月経や排卵、妊娠経過などに影響することがあるため、妊娠を希望される方では大切な検査の一つです。
検査結果を総合的に評価し、排卵障害などの原因を調べるとともに、必要に応じて排卵誘発剤などの治療方針を検討します。
AMH(抗ミュラー管ホルモン)検査は、血液中のAMH濃度を測定し、卵巣予備能(卵巣にどの程度卵胞が残っているか)の目安を調べる検査です。AMHは卵巣内で発育過程にある卵胞から分泌され、月経周期による変動が比較的小さいため、基本的には月経周期にかかわらず検査することができます。
一方で、AMH値は卵子の「質」を示すものではなく、自然妊娠のしやすさと直接的な関係があるわけでもありません。 AMH値が低いからといって自然妊娠できないということではなく、反対にAMH値が高ければ妊娠しやすいということでもありません。
AMH値だけで判断するのではなく、年齢や超音波検査、その他のホルモン検査などとあわせて総合的に評価し、今後の治療方針や治療の進め方を検討する際の参考にします。
超音波検査は、専用のプローブ(超音波探触子)を用いて、子宮や卵巣の状態をリアルタイムで観察する、不妊診療の基本となる検査です。放射線を使用しないため被ばくの心配がなく、繰り返し行うことができます。
不妊診療では主に経腟超音波検査を行い、子宮の大きさや形、子宮内膜の厚さ、卵巣の状態や卵胞の発育などを確認します。また、子宮筋腫や子宮内膜症(チョコレート嚢胞)、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)のほか、中隔子宮や双角子宮などの子宮奇形(先天的な子宮の形態異常)を疑う所見がないかについても評価します。
超音波検査で子宮の形態異常が疑われる場合には、必要に応じて子宮鏡検査などの追加検査を行い、詳しく調べていきます。
精液検査は、採取した精液から、精液量や精子の濃度、運動率などを調べる検査です。妊娠に向けた検査は、ご夫婦お二人の状態を把握することが大切なため、治療の初期段階で受けていただくことをおすすめしています。
精子の状態は、体調やストレス、睡眠などさまざまな要因によって変動するため、1回の検査結果だけで判断せず、必要に応じて時期をあけて再検査を行うことがあります。
また当院では、ご希望や必要性に応じて、通常の精液検査に加えてDFI(精子DNA断片化指数)検査・ORP(酸化還元電位)検査を行うことができます。
DFI検査は、精子のDNAがどの程度損傷しているかを調べる検査です。通常の精液検査では評価できない精子の質を調べる指標の一つで、DFIが高い場合には自然妊娠率の低下や流産などとの関連が報告されています。
ORP検査は、精液中の酸化ストレスの程度を評価する検査です。酸化ストレスは精子の機能やDNAに影響を与える可能性があり、生活習慣などを見直す際の参考となることがあります。
これらの検査結果と女性側の検査結果などを総合的に評価し、タイミング法や人工授精、必要に応じて高度生殖医療へのご紹介など、今後の治療方針をご提案します。
