日帰り手術
日帰り手術

「卵管が詰まっていると言われた」「卵管に問題があるから体外受精しか方法がないと言われた」そのような経験をされた方に、ぜひ知っていただきたい治療法があります。それがFT(卵管鏡下卵管形成術)です。
FTは、お腹を切らずに卵管の閉塞や狭窄を治療する日帰り手術です。健康保険が適用され、術後はタイミング療法や人工授精での自然妊娠を目指すことができます。「体外受精の前にできることをしたい」というお気持ちをお持ちの方も、まずはお気軽にご相談ください。当院では、卵管造影検査による精密な評価からFTによる治療まで、一貫して対応しています。
FT(卵管鏡下卵管形成術)とは、卵管の閉塞(詰まり)や狭窄(狭まり)を、カテーテルとバルーン(風船)を用いて内側から広げる手術です。外径約0.6mmという極細の卵管鏡(カメラ)を使って卵管の内部を観察しながら行うため、病変の部位や程度を正確に確認しながら治療することができます。
手術はお腹を切ることなく、膣から子宮口を通じてカテーテルを挿入して行います。バルーンをゆっくりと膨らませながら卵管の詰まりや狭まりを広げていき、最後に卵管鏡で通過性が改善されたことを確認して終了します。手術時間は片側15〜20分程度、両側で30分程度です。静脈麻酔を使用するため術中の痛みはほとんどなく、目が覚めたときには手術が終わっているような感覚で受けていただける方がほとんどです。
FTによって卵管の通過性が改善されると、卵子と精子が出会いやすくなり、タイミング療法や人工授精での自然妊娠を目指せるようになります。「体外受精しか方法がない」と感じていた方にも、新たな選択肢をご提案できる可能性があります。
FTは高度な技術を要する手術であり、日帰りで実施できる医療機関は決して多くありません。当院では、卵管診療の経験を生かし、透視装置を用いて卵管の状態を詳細に評価したうえで、一人ひとりに適した治療をご提供しています。
①カテーテルを膣から子宮へと
挿入し、卵管に近づける
②カテーテルのバルーンを膨らませ、
卵管の中へバルーンを進める
③閉塞・狭窄部分を拡げる
④通過障害が改善したことを
卵管鏡で確認する
FTは以下のような方に適応となる場合があります。
なお、FTが適応となるのは卵管の子宮に近い側(近位部)の閉塞・狭窄です。卵管の先端(遠位部)の閉塞や、卵管留水症(卵管に水がたまった状態)と診断されている場合は、FTの適応とならないことがあります。まずは卵管造影検査の結果をもとに、医師が丁寧にご説明します。他院での検査結果をお持ちの方は、その結果をもとにご相談いただくことも可能です。
FT(卵管鏡下卵管形成術)は、卵管の通過性や機能の改善を目的とした治療です。卵管の働きが改善すると、卵子と精子が出会いやすくなり、自然妊娠やタイミング療法・人工授精による妊娠が期待できます。
FT後の妊娠率は、年齢や卵管障害の程度、精液所見などによって異なりますが、国内の報告では約30~40%とされています。また、多くの妊娠は術後6か月以内に成立することが報告されているため、この期間は積極的に妊活を進めることが大切です。
当院では、FT手術だけでなく、術後のタイミング療法や人工授精なども含め、一人ひとりに合わせた治療計画をご提案し、妊娠まで継続してサポートいたします。
FTを行うにあたっては、事前に子宮卵管造影検査(HSG)によって卵管の状態を確認する必要があります。他院での検査結果をお持ちの方は、その結果をもとにFTの適応かどうかをご相談いただくことも可能です。検査から手術まで当院で一貫して対応できますので、「どこに相談すればいいかわからない」という方もまずはお気軽にご来院ください。
手術は月経終了後から排卵前の時期に行います。手術前日の深夜以降は食事を控えていただき、当日の朝は少量の水分のみ摂取可能です。手術当日は静脈麻酔を使用するため、お車・バイク・自転車でのご来院はお控えください。公共交通機関をご利用いただくか、付き添いの方とご来院いただくことをおすすめしています。
来院・術前確認
問診・バイタルチェックを行います。体調に気になる点があればお知らせください
静脈麻酔
麻酔が効いたことを確認してから手術を開始します。眠っている間に手術が行われるため、術中の痛みはほとんどありません
手術
膣から子宮口を通じてカテーテルを挿入し、卵管鏡で内部を観察しながらバルーンで閉塞・狭窄部分を広げます。片側15〜20分程度です
術後休憩
安静室でお休みいただき、体調が回復したことを確認してからご帰宅いただきます。麻酔が抜けるまで1〜2時間程度かかる場合があります
帰宅
当日中は車・バイク・自転車の運転はお控えください。術後の体調に問題がなければ、翌日から通常の生活に戻っていただけます
術後は感染予防のため抗生剤を処方します。手術翌日からは通常の日常生活にほぼ戻ることができますが、激しい運動や入浴(湯船への入浴)は数日間お控えいただくことをおすすめしています。術後は定期的な経過観察を行いながら、状態に合わせてタイミング療法や人工授精による妊娠を目指していきます。
卵管が開通した後の効果は、一般的に半年から1年程度継続するとされています。術後の治療方針については、患者さんの年齢や卵巣機能・他の不妊原因なども考慮しながら、医師が丁寧にご提案します。術後に発熱・強い腹痛・多量の出血が生じた場合は、早めにご連絡ください。
FTは膣から器具を挿入して行う手術のため、お腹に切開の傷がありません。身体への負担が少なく、術後の回復も早いのが特徴です。通常の開腹手術と比べて入院期間が不要なため、仕事や日常生活への影響を大きく抑えることができます。
入院の必要がなく、日帰りで受けていただける手術です。お仕事をされている方や、育児中の方など、まとまった入院期間を確保するのが難しい方にとっても、受けやすい治療です。
FTは健康保険が適用される手術です。ただし、保険点数が高いため自己負担額はある程度かかります。高額療養費制度の対象となりますので、事前に加入している健康保険組合や市区町村窓口に「限度額適用認定証」を申請しておくことで、窓口での支払いを自己負担限度額までに抑えることができます。マイナ保険証をご利用の場合は、事前の手続きは不要です。
また、不妊治療開始前から民間の医療保険に加入していた場合、FTが手術給付金の対象となる場合があります。国民共済・JA共済・会社の団体保険なども対象となるケースがありますので、ご加入の保険会社にご確認ください。
FTは低侵襲な手術ですが、以下の点についてあらかじめご理解ください。
手術の適応・リスクについては、診察・検査結果をもとに医師が丁寧にご説明します。疑問や不安な点はどうぞ遠慮なくご相談ください。
FTは健康保険が適用されます。自己負担額は保険の種類(3割負担など)や手術内容(片側・両側)によって異なります。高額療養費制度を利用することで、さらに負担を軽減できる場合があります。詳しい費用については、診察時にご説明いたします。
手術前に「限度額適用認定証」を取得されることをおすすめする場合があります。ご加入の健康保険組合または市区町村の窓口にて申請いただけます。なお、マイナ保険証をご利用の方は事前申請不要です。
卵管の状態や年齢・他の不妊原因なども含めて総合的に判断し、一人ひとりに合った治療方針をご提案します。「まずFTが自分に適応するか確認したい」という方も、ぜひお気軽にご相談ください。

子宮鏡手術は当院で不妊治療中の方に限らせていただいております。
子宮内膜ポリープや子宮内腔癒着は、不妊や流産の原因となることがあります。自覚症状が乏しいことも多く、検査を受けて初めて気づくケースも少なくありません。「超音波でポリープがあると言われた」「子宮に癒着があると診断された」という方も、まずはお気軽にご相談ください。
当院では、子宮鏡を用いてこれらの病変をお腹を切らずに治療する子宮鏡手術を、日帰りで提供しています。健康保険が適用される手術で、身体への負担が少なく、仕事や日常生活への影響を最小限に抑えながら治療を受けていただけます。子宮内の環境を整えることで、妊娠しやすい状態に近づけることが期待されます。
子宮内膜ポリープとは、子宮の内側(子宮内膜)から突出するように発生する良性の腫れです。超音波検査で偶然発見されることも多く、自覚症状がない方も少なくありません。一方で、不正出血・過多月経・月経痛の原因となることもあります。
不妊治療との関連では、子宮内膜ポリープが受精卵の着床を妨げる可能性があるとされています。ポリープが子宮内膜の表面にあることで、受精卵が着床しようとする際に物理的な障害になるほか、慢性的な炎症を喚起したり内膜局所の血流異常をもたらすことで、胚と内膜のクロストークが障害され子宮内膜の受容能が低下することが考えられています。また、妊娠後も流産リスクが高まることが報告されています。
ポリープの大きさや位置、症状の有無によっては経過観察となる場合もありますが、妊娠を希望されている方やポリープが大きい場合には切除を検討することが多いです。「ポリープがあると言われたが、どうすればよいかわからない」という方も、まずは当院にご相談ください。一人ひとりの状態を丁寧に評価したうえで、治療が必要かどうかを含めてご説明します。
子宮内膜ポリープの主な治療法は、子宮鏡を用いた手術(子宮鏡下子宮内膜ポリープ切除術)です。子宮鏡でポリープを直接確認しながら器具を用いて切除するため、病変を正確に取り除くことができます。
かつて行われていた子宮内膜掻爬(そうは)術(器具で子宮内をこすり取る方法)は、ポリープの取り残しが多く子宮内膜損傷のリスクもあるとされており、現在では子宮鏡手術が推奨されています。子宮鏡手術であれば直接確認しながら治療できるため、より確実で安全な治療が可能です。当院では日帰りで子宮鏡下ポリープ切除術を行っており、健康保険が適用されます。
子宮内腔癒着(アッシャーマン症候群)とは、子宮の内側の組織同士がくっついてしまった状態です。子宮内膜が炎症を起こし、内膜の組織が癒着することで発生します。癒着が生じると子宮内膜が十分な厚さに成長できなくなり、受精卵が着床しにくい環境になることがあるとされています。また、月経量の減少や無月経、流産・早産のリスク上昇とも関連があるとされています。
主な原因としては、帝王切開・人工妊娠中絶・流産処置・粘膜下筋腫摘出術などの子宮に対する手術や、骨盤内の感染症(クラミジアなど)が挙げられます。手術後に子宮内で炎症が生じることで、回復の過程で組織同士がくっついてしまうことがあります。
自覚症状として月経量の減少や月経期間の短縮が現れることがありますが、自覚症状がないまま不妊の原因となっているケースも少なくありません。子宮卵管造影検査や子宮鏡検査で診断されることが多く、確定診断には子宮鏡検査が必要です。「過去に子宮内操作手術を受けたことがある」「最近月経量が減ってきた」という方は、一度子宮内の状態を確認されることをおすすめします。
子宮内腔癒着の治療は、子宮鏡を用いた癒着剥離術(子宮鏡下癒着剥離術)が基本となります。子宮鏡で癒着部位を直接確認しながら、ハサミや電気デバイスなどの器具を用いて癒着を丁寧に剥離します。癒着の程度によって手術の難易度や所要時間は異なりますが、当院では日帰りで対応しています。
術後は再癒着を防ぐためのケアが重要です。ホルモン療法(子宮内膜を厚くして再癒着を防ぐ目的)や子宮内デバイス挿入(子宮前後壁の内膜がくっつくのを物理的に防ぐ目的)を一定期間行いながら、定期的な子宮鏡検査による経過観察を行うことがあります。癒着の程度によって術後の妊娠率は異なりますが、適切な治療と術後管理によって妊娠を目指していくことができます。
子宮鏡手術は、腟から子宮口を通じてカメラと器具を挿入して行う手術です。お腹に切開の傷がなく、身体への負担が少ないのが特徴です。出血量も少なく、術後の回復も早いため、手術後の日常生活への影響を最小限に抑えることができます。
子宮内を直接カメラで見ながら手術を行うため、病変を正確に確認しながら治療することが可能です。超音波検査だけでは確認しにくい小さな病変にも対応でき、より確実な治療が期待できます。また、かつての掻爬術と異なり、子宮内膜への余分なダメージを避けながら治療できる点も、妊娠を希望される方にとって大きなメリットです。
当院の子宮鏡手術は入院不要の日帰り手術です。お仕事や育児の都合でまとまった入院期間を確保するのが難しい方にとっても、受けやすい治療です。手術の翌日からほぼ通常の生活に戻っていただけます。
子宮内膜ポリープ切除術・子宮鏡下癒着剥離術はいずれも健康保険が適用されます。高額療養費制度の対象となる場合もありますので、事前にご加入の健康保険組合にご確認いただくことをおすすめします。詳しい費用については診察時にご説明します。
手術は月経終了後から排卵前の時期に行います。術前に血液検査などの術前検査を実施し、問題がないことを確認してから手術当日を迎えていただきます。
来院・術前確認
問診・バイタルチェックを行います。体調に気になる点があればお知らせください
麻酔
静脈麻酔または局所麻酔を使用します。術中の痛みはほとんどありません
手術
腟から子宮口を通じてカメラと器具を挿入し、モニターで確認しながら病変を治療します(10〜30分程度)
術後休憩
安静室でお休みいただき、体調が回復したことを確認してからご帰宅いただきます
帰宅
当日中は車・バイク・自転車の運転はお控えください
静脈麻酔を使用した場合は、麻酔が抜けるまで1〜2時間程度かかることがあります。公共交通機関をご利用いただくか、付き添いの方とご来院いただくことをおすすめしています。
子宮鏡手術は低侵襲な手術ですが、以下の点についてあらかじめご理解ください。
以下の症状がある場合は早めにご連絡ください
手術のリスクや注意事項については、術前に医師が丁寧にご説明します。不安な点はどうぞ遠慮なくお聞きください。
子宮内の環境を整えることで、妊娠しやすい状態に近づけることが期待されます。「自分に手術が必要かどうか確認したい」という方も、まずは診察にお越しください。検査結果をもとに、治療が必要かどうかも含めて丁寧にご説明します。
